出会いは行きつけのコーヒーショップから。
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コーヒー豆屋さんの木造りのシェルフに並ぶ見慣れない六角形の紙包装たち。コースターのような雑貨にも見えるパッケージを見てると、広島・尾道のチョコレート工場のものと教えてもらう。産地からカカオを仕入れてお店の中でチョコレートに...と聞いて「ビーントゥーバー」ってやつですね、得意げに相槌を打つと、でも、そう呼ばれるのはあまり好みでないようですよ、と店主に尾道のチョコレート工場との出会いを教えてもらった。
立夏となる頃の暑かった日、少年時代の遊びの延長線、子どもたちの秘密基地のようなチョコレート工場を僕は訪れた。瀬戸内海に浮かぶ自然豊かな島々のひとつ、観光地として有名な尾道の対岸から臨む人口一万六千人ほどの向島にひっそりと、でも賑やかにそれは佇む。人気のない山の中腹にある学校のような建物に、DIY精神溢れた手作りの看板。素っ気ないように見えて一つ一つにストーリーを感じる置物。建物の二階にある工場は、子供のころ少しづつ集めた、自慢の大事なものを詰め込んだおもちゃ箱みたいな懐かしくも楽しい雰囲気に溢れていました。
客席の前はいつもキラキラ眩しく光る瀬戸内の海、そして工場長の娘さんの名前が潮ちゃんであったため「USHIO CHOCOLATL(ウシオチョコラトル)」 と命名。ふざけながらも真剣に楽しく働く、直接聞いたわけでもないのにそのヴァイブス感じるチョコレート工場の話へようこそ。
立花自然活用村の「USHIO CHOCOLATL(ウシオチョコラトル)」
尾道からレンタカーを走らせた道中、分かれ道に迷わないよう大きく看板があります。ここで初めて知った「立花自然活用村」という施設。村というから集落が集まっていると思ったのですが、研究室や会議室として使える建物の名前でした。ここに「USHIO CHOCOLATL(ウシオチョコラトル)」も入っています。
学校跡地のような施設の「立花自然活用村」
うっかり施設外観を撮り忘れてました...。学校のような建物にウシオチョコラトルの看板を頼りに施設へ入ると、二階へ案内されます。階段を上がって右手には入り口が。ガラスの向こうの店内にはここが島だと忘れるほどの人が集まっていました。
瀬戸内海を一望できるカフェスペース
座席は20席くらいだったでしょうか。革張りのソファーから勉強机についてそうなパイプの椅子、手作り感満載の看板たち。(とても味がある)立地としては尾道から自転車で四十分、JR山陽本線尾道から駅前渡船で向島にわたって、タクシーに乗ってやく1500円くらいの場所。せっかく来てもゆっくりしていけるスペースは十分にあります。
カカオを使ったドリンクメニュー
メニューはコーヒーとチョコレート系ドリンク、ジュース、ソーダが並ぶ。一度来ただけでは飲みきれないので大勢でシェアしたいですね。
砂糖とカカオのみのチョコレート
チョコレートは一枚700円、六角形の個性的なデザインが描かれた包み紙に入っています。このパッケージを見たことがある人も多いはず。チョコレートとしては珍しい形とパッケージが話題を呼んだ一因かもしれませんね、
チョコレートは一日に製造できる数が決まっていて、また農作物でもあるカカオがの仕入れ具合によって販売されているチョコレートが変わるようです。この日はシングルオリジンとブレンドが二種類ずつ販売されていました。もちろん試食もできます。(また今度、買って帰ってきたチョコレートを紹介しながら、砂糖とカカオのみで作られる魅力的なチョコレートの世界を紹介したいと思います。)
工場長との世間話
ここまでご覧になっていただいて、ウシオチョコラトルのこのファンキーな雰囲気を感じ取って貰えたでしょうか。敷居の高くない良い意味で軽いノリ(個人的な見解)に思い切ってチョコレートを買うときに話しかけてみました。やはり気になるのはチョコレートの産地の違いによる味わいについて。
かしこまった専門的な内容でなく、近所のお兄さんとやり取りするようにチョコレートについて教えてもらいました。ちょうど尾道を騒がしていた、たっちゃん(工場長談)の話まででたりして、レジには列ができてしまう盛況ぶりでしたが、一組一組とのコミュニケーションしっかり取ってくれる素敵な秘密基地でした。
アイスカカオミルクと自家製ハーブ
ドリンクをうけとったあと、用事があったため席には座らずお店を出ます。アイスカカオミルクにはローズマリーがトッピングされていました。時間があればもう少しのんびりしたかったなと後ろ髪を引かれつつ、施設の生け垣沿いに車を置いていた駐車場に向かいます。
するとウシオチョコラトルのメンバーである一人の方が、植栽で何かをカットされていました。実はこのドリンクに入っていたローズマリーはここのもの。ちょっと生えすぎなんですよね、と気さくにお話をしてもらいました。
ここでしかできなかったであろう秘密基地のようなチョコレート工場
帰る前に建物の外でみた瀬戸内の海はとても綺麗で本当にキラキラしていました。
この頃はビーントゥーバーと言われる、原料のカカオからチョコレートにするまでを一つの場所で行う、こだわった製法が話題に。こちらのお店はビーントゥーバーという表現は見かけない、業界の流行とは一線を画すような、瀬戸内海の向島でしか味わえないオンリーワンなチョコレート工場でした。
お店の方とじっくり話したわけではないのですが、作りての人となりや雰囲気が見えるお店に、こだわりの無添加チョコレート。工業化された大量生産と消費によって成り立つ商いでなく、自分たちの好きなこと、そしてこだわりを目の届く範囲に置いた素敵なお店でした。
他にもコーヒースタンドの記事を書いています。
京都にあるアジアンな雰囲気が入り混じったコーヒースタンドの紹介記事です。チョコレートやカフェ好きにもおすすめなお店なので良かったら、読んでみてください。
シングルオリジンのチョコレートについても、記事を書いていきたい。