非Youtuberの動画撮影にジンバルは必要か:製品レビュー「 FeiyuTech AK2000S 」

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ジンバルとは、動きのあるカメラワークの画面揺れを補正し、スムーズな映像を撮影するための機材。カメラが付いたポケットインできるサイズから、プロユースの一眼レフを載せるものまで、価格帯もそれぞれに多くの機種が販売されている。

世の中の急激な変化によりカフェ・コーヒー業界でも、非Youtuberの動画制作が増えている。この記事は、Webや写真が趣味のコーヒー好きによるジンバル「 FeiyuTech AK2000S 」のライトレビュー。

当サイトも動画制作を手探りで始めたのだが、同じような駆け出しユーザーの参考になればと思う。

FeiyuTech AK2000S は、ミドルクラスのバランスが良いジンバル

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FEIYU(フェイユー)は、2007年8月に中国の桂林で創業。ドローンやファクトリーオートメーション分野でシェアを伸ばし、航空計器システムや、UAVオートパイロット、ジャイロスコープ搭載ジンバルを開発する精密機器メーカー。

2019年12月に発表されたジンバルのAK2000Sはメーカー公式オンラインショップで¥54,450-(税込)となっている。ミラーレスタイプの一眼カメラならほとんどの機種が搭載可能な2.2Kgまでの耐荷重を実現している。(対応カメラリスト

FeiyuTech AK2000S の特徴

LCDタッチパネル

AK2000Sが競合する価格帯のジンバルのほとんどが、対応アプリのインストールによるスマートフォンやデバイスによる操作設定を求める。同機の特徴は、デバイスがなくともほとんどの操作を完結できるところだ。

マルチファンクションノブ、トリガーボタンの操作機構

操作モードを切り替えたりリセットできるトリガーボタン。ロール、チルト、パン軸を操作できるマルチファンクションノブは直感的な操作に対応する。ジンバル初心者には慣れが必要だが、撮影時に必要な操作機能は装備されている。

バーサタイルハンドル

ローアングル撮影や補助ハンドルとして使えるバーサタイルハンドル。各ジンバルメーカーによって色々なタイプのハンドルが考案されているが、AK2000Sはネジで取り外し可能なタイプで、ハンドル上部には1/4インチサイズのネジ穴が設けている。また、取り外しに必要な工具はハンドルに収納できるようになっている。

三軸のロック機構、アルカスイス規格のクイックリリースを採用

三軸ロックは各ジンバルメーカーが採用している手持ちジンバル定番の機能。カメラを搭載する際のバランス調整、持ち運びの際に各可動域を固定できる。また、三脚を使用するカメラユーザーに重宝されているアルカスイス互換のプレートでカメラを取り付けることができる。

非Youtuberでもジンバルはコンテンツ制作の武器。

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動画撮影にモチベーションを感じるのなら、魅せるムービーのためのジンバルはマストになってくるだろう。ジンバルを使った動画撮影は、カット割りなどの事前準備、撮影後の編集も含めて作業時間も必要になってくる。しかし、コンテンツ制作の面白さを感じる一部の人には、非常にヒットするだろう。今回、ジンバルに関しては一眼カメラ用のものを紹介しているが、スマホ用やコンデジ向きの本格的で手軽な機種はたくさんある。

コーヒーカルチャーのコンテンツ制作がライフワークの当サイトでも、課題であり楽しみでもある動画撮影。PRやコンテンツ制作に明るい、海外のコーヒーロースターのムービーを参考にしている。制作チームが関わるようなクオリティなので、撮影アイデアとして自らの環境に合わせて参照してほしい。動画撮影を本業としない非クリエーターでも、撮影機材を使用したリッチなコンテンツでファンを増やす時代だと感じる。

カフェ・コーヒースタンドの印象的なムービー

ムービー冒頭の横に流れていく(ドリー)カット

ドリーと呼ばれるカット、これはジンバルでも再現できる。

ケメックスに近寄っていく(プッシュ)オープニング

チュートリアル冒頭の器具に寄っていく浮遊感はジンバルが得意とする絵作り。

アイデアに溢れた動きのあるムービー

手持ちで撮られているが、ジンバルを使えばさらに動きをつけたプロモーション動画が作れそうだ。

ポスト・コロナの世界は、オンラインコンテンツがカフェの玄関に。

ジンバルAK2000Sを使ったテスト動画

2020年の春を迎え、世界は変わった。

COVID-19が全世界で猛威を振るうと、これまであったビジネスモデルのほとんどをリセットさせる。以前なら当たり前だったカスタマーの様子を感じ取る、きめ細やかな接客も今は難しい。手元にあるスマートホンやデバイスが、ネットショップの入口だからだ。バリスタのこだわりの一杯や、フォトジェニックなスイーツをサーブするソファーは、閑古鳥。ソーシャルディスタンシングで接客の機会は最大限に削られ、カフェ業界のリソースは行き場を失った。

それでも、ウーバーイーツなどの新しいビジネスモデルのお陰で、バリスタや料理人の灯火は消えることなく運ばれてはいる。ただし、全盛期には程遠い。本来なら、こだわり抜いてデザインされた空間と客席で、ホスピタリティを駆使して、自慢のドリンクやフードをオーダーして欲しい。

だけど、変わっていく環境に二の足を踏んでいられない。優秀な経営者はもうアフターコロナへの準備を着々と進めているようだ。生き残りをかけて戦ったあとは、力尽きたライバルが持っていたシェアを刈り取るボーナスが待っているからだと。政府ですらオンライン化への指針を明確に打ち出し、陰謀だったとばかりにITの巨人たちが、新たな世界での秩序を掴もうとしている。

フィジカルありきのサービスや商品で、カスタマーと繋がってきたフード業界。最新テクノロジーの流行から縁遠いカフェ・コーヒー業界も例外ではない。望まなくてもやってきたゲームチェンジの波に乗れるか、飲まれるか、という状況だ。すでに逞しいリーダーのいるコーヒーショップや、バリスタのトップランナーたちは、動画コンテンツの可能性や、オンラインでのビジネス拡充に挑戦している。

コーヒーカルチャ−が大好きな私たちは、テクノロジーとカルチャーの融合と、その先に見えるカフェと僕たちの新しい関係性に期待しよう。