【Coffee with Tim Wendelboe】和訳本刊行トークイベントレポート。ティムからバリスタへのアドバイス編。

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Tim Wendelboe(ティム・ウェンデルボー)の本「Coffee with Tim Wendelboe」和訳版刊行記念に、来日トークイベントが京都でおこなわれました。このまたとない機会を逃さず僕もトークイベントに参加してきました。

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ティムのコーヒーの話は興味深く3回にわたって記事にしてきましたが、今回でイベントレポートの最終回となります。



「Coffee journey with Tim Wendelboe」 at WEEKENDERS COFFEE Fall 2015(後編)

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img via : Journal - Figgjo Oslo Tim Wendelboe


コーヒーをより美味しくするために必要なこと。

より良いコーヒーを淹れるため、バリスタは生産過程を知っていたほうが良い。
私はバリスタとして働き始めた時、毎日カフェの中でコーヒーの味を調整しようと、エスオプレッソマシーンとグラインダーを使っていましたが、それだけでは不十分だと気付きました。

バリスタとして働いているだけでは、コーヒーの味がなぜこんなにも変わるのかは追及できないので、焙煎を勉強する必要があると思い、焙煎を始めました。焙煎の微かな差だけで、味が大きく変化するということがわかりました。

そして焙煎もまた、コーヒーの味を左右する要素の一部でしかないということに気づきました。生豆の品質が良くなければ、どんなに焙煎が上手くても味の良いコーヒーにはならないのです。それで、品質の違いを理解するために、様々なコーヒー農園を見学するようになりました。

そして今は、同じ農園で同じコーヒーを同じ過程で精製しても、農園内の北部と南部の豆で味に差が出る理由を知りたいと思っています。それもあって自分の土地を買ったのです。

農園主となって自分でコーヒーを作った今、私はより良いバリスタになれたと思っています。焙煎、精製、栽培、生豆の品質など、コーヒーに関わる0から10まで全ての工程を理解しているからです。

コーヒーを淹れる時、生豆か焙煎か挽き方か、どこに問題があったのかを頭の中で描けることは、改良する際にとても大事なのです。今日皆さんに農園の話をしたのには、こういうわけがあったのです。

現代のバリスタたちはお店に立ちながら、豆の量や湯の温度などに気を遣いすぎています。お店にコーヒー豆が届くまでの過程をもっと知っておいて欲しいのです。

この本は、エスプレッソやハンドドリップをおいしく入れるための教科書ではありません。0から10までコーヒー豆の旅の全てを綴っていますので、オープンマインドで読んで考えていただき、いろんな感想を持って欲しいと思います。

皆さんにもインスピレーションが湧いたらいいですね。ありがとうございました。(ティムのトークが終わり、観覧者からの質疑応答となる)

これからは、バリスタがコーヒーの生産プロセスに関わっていく時代に。

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ティムの話が終わって、イベントに参加していた人たちの質問タイムがとられました。10人くらいの質疑応答があった後に、トークイベントは終わりとなりました。最後に購入した本にサインをしてくれることと、他にも質問がある人は直接して下さいとのアナウンスが。

僕もサインを貰いにいったのですが、ティムを目の前にして全く英語がでてこずサインのお礼を言うだけで精一杯でした。僕、まったく英語喋られへんのですよね...ww

ネットでしか見たことがなかったティムさんなんですが、実際に目の当たりにした雰囲気は、物腰の柔らかい少し大柄な人でした。しかし、柔らかい雰囲気でもコーヒーに関してストイックに追求する姿勢を質疑応答の答えから感じました。

先日おこなわれたジャパンバリスタチャンピオンシップを見て感じたことに、バリスタが抽出方法や飲み方に関して注力するだけでなく、プレゼンするそのコーヒー豆がなぜ美味しいのか、そのコーヒーの生産過程やストーリーを紹介する人が多かったのが印象的でした。

今回のティムのトークイベントの最後にもあったように、バリスタもコーヒーの生産過程や農園の事を知って、または生産工程に関して一緒に取り組んで、カスタマーに美味しい一杯を提供するそんな時代になってきていると思いました。

これからトップを目指すバリスタには、どんどん求められるハードルが上がっているのを感じます。いちコーヒーファンとしてそういった進化を目の当たりにしながら、これからもコーヒーを楽しんでいきたいと思います。


AllSync

フィンカ・エルスエロやこれからティムが生み出すコーヒーはどんなものになるのか、ワクワクさせられるイベントでした。