現存する最古の鉄コン校舎とコーヒーイベント。
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本当なら梅雨入りしていてもおかしくなかった初夏のころ。日差しも弱く涼しかった昨日とはうってかわって、ジリジリと肌を刺す陽射しを感じながら買い求めたコーヒーチケット。前もってリザーブしておけば夏の始まりを思わせる太陽に焼かれることなく入場できたのにと後悔しながら、おそらく同じことを思っている列の中、先に入場していく予約組を羨ましく見ながら暇を持て余す。
日本映画の発祥の地と言われ、日本で初めて映画試写実験がおこなわれた場所に建てられたが、1923年に閉校。木屋町沿いにあり高瀬川の桜と柳の並木の景観、すぐ裏には花街・先斗町もある京都の風情を代表する景観の一つにあるのが元・立誠小学校。
古びたコンクリートのシミがフォトジェニックな建屋に、アーチ型の玄関入り口、洋館を思わせる装飾が施されたバルコニーがイベントスペースとしての魅力を感じさせる。しかし一見すると、風情ある小学校で開催するイメージが湧かないタイトル名のコーヒーイベント。
一番乗りを狙って開場時刻より先に着くが予想に反して長く並んだ人に滅入りかけて、「あんまり期待できないかもなぁ。」なんて少し捻くれかけた頃、「予約外の方も入場を開始します!!」と待ちわびていたアナウンスの先に、思いもしなかった素敵な空間とコーヒーを愉しむイベントが待っていた。
Enjoy Coffee Time in 元・立誠小学校
「Enjoy Coffee Time(エンジョイコーヒータイム)」は京都のコーヒーショップだけを集めたイベント。耐震改修工事のため古き趣きある校舎も一部を除きほぼ取り壊されるので、この空間でおこなわれる最終回に。
コーヒーショップ以外にもサンドイッチやカレーなど京都の有名店が出店。魅力的なコーヒーショップの飲み比べと東急ハンズのワークショップ、使われなくなった教室を活かした古本屋まで「COFFEE TIME」を満喫することをコンセプトにしたイベント。
木屋町の高瀬川沿いという京都らしい一風変わった街並みからイベント会場となる元・立誠小学校まで。その雰囲気を存分に味わってほしい。
初夏の陽気に映える高瀬川と雑多な木屋町。
舞台は元・立誠小学校
職員室や教室をそのまま使ったイベントスペース
エンジョイコーヒータイム
昭和3年生まれの校舎
中庭にはノースフェイスのキャンプ
記憶が作り出す廃校の懐かしさ
コーヒーと廃校の嗜み、それは大人の感性。
コーヒーが好きな10代っているのだろうか。この頃はバリスタの大会やラテアートなど魅せるコーヒーカルチャーもあって昔は知らないけど、若いうちからコーヒーシーンに触れる機会が多いのかもしれない。
僕のそのころといえば、ジョージアのカフェオレが流行りだして、もちろんコーヒー飲料というジュースを飲むような感覚でコーヒーなんてもちろん興味がなかった。ある意味ほんとうにブラックコーヒーを楽しめるようになったのはここ最近。そして廃校という昔を懐かしむ雰囲気っていうのは、ほろ苦い感情や経験という感覚を持った大人になってこそノスタルジーになるんだとこのイベントで知る。
コーヒーカルチャーはこれからの世代にとってもう身近なものになっていると思うけど、ノスタルジーは体験や記憶によって蓄積された感情が呼び起こす特別な感覚。ブラックコーヒーの全てを愉しむのは10代ではきっと早すぎるし、京都の風情と廃校が相まったこのイベントを嗜めるのは大人になってからだろう。今年で元・立誠小学校でおこなわれるこのイベントは幕を下ろすことになっている、それも僕らの懐かしむ感情として蓄積されてまた新たなノスタルジーを産む事になった。
どんどんコーヒーイベントはその数を増やしていると感じます。さあ、次はどれに参加してみようか。