近い将来、日本でもこのコーヒーエクスペリエンスを味わうことができるのでしょうか!?
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アメリカは西海岸に本拠地を置くスターバックスが、同社の希少で価値の高いコーヒーシリーズ「スターバックス リザーブ®」の焙煎工場をカフェの中心に据えた「リザーブ®・ロースタリー・アンド・テイスティング・ルーム」をシアトルのキャピトル・ヒルにオープンしました。
1920年築の建物を最大限に活かした旗艦店となる新しいスターバックス
この1万5,000平方フィート(約4,500平方メートル)という広大な建物を使ってオープンしたスターバックスの新しい店舗は、インパクトある巨大な焙煎機が設置されたコーヒーファクトリーを中心に、「カフェ」「図書室」「ショップ」「ラウンジスペース」そして「レストラン」が併設される。
この新しい店舗に導入された焙煎機は2台。Probat社製の大型機と小型機の2種類があり、50ポンドタイプの小型機はこの店舗で消費・販売用、260ポンドの大型機は、世界各地で展開予定の「スターバックス リザーブ®」専門店に送られる豆を焙煎するそうです。
全世界に店舗を持つコーヒストア「スターバックス」の焙煎工場を見られるのは全世界でここだけ。これほど大規模な工場の焙煎工程を見学できるカフェは他にありません。
まるで映画のセットの様に魅せる事を意識して造られた焙煎工場。スターバックスのハワード・シュルツ最高経営責任者(CEO)は、米マスコミの取材に対して「この店は、映画『チャーリーとチョコレート工場』に出てくる夢のような工場のコーヒー版なのです」とコメント。
様々な角度から焙煎の過程を見られるように店づくりがされており、豆の名前や原産地が表示されたディスプレイも設置、コーヒーが生産される過程を"見て楽しめる"造りになっている。
ライブ感が溢れるコーヒーカウンター
コーヒー・バーの中央には、ガラスのサイロに焙煎されたてのリザーブ®豆がチューブを通って焙煎機からやってくる姿が見られ、このフラッグシップ店の特徴の1つでもあるコーヒーが作られていくライブ感を味わえるカフェになっています。
写真はコンピューター制御された「ポア・オーバー(上から注ぐ)」式のドリップマシーン。
1杯ずつタンピングして抽出されるエスプレッソ。しかし、スターバックスは「マストレーナー」というエスプレッソマシーンをメーカーと共同開発し、エスプレッソの抽出を自動化。1杯1杯にかける情熱と効率性を追求するスターバックスならではのドリップマシーンだと思います。
その他にもスターバックスではお馴染みの抽出器具「フレンチ・プレス」や「ケメックス」、はたまた「サイフォン」まで多彩な抽出方法を選んでコーヒーを愉しむことができ、まさに「TastingRoom」の名にふさわしいラインナップになっています。個人的には、日本の喫茶店のイメージが強いサイフォン式をスタバで飲める事に驚きです。
また旗艦店のみで味わえるブレンドコーヒー、「パンテオン・ブレンドNo1.」が用意されるなどスペシャルなスターバックスになっています。
バー・カウンターには「私達を導いているのは、理性を超えた情熱だ」という言葉が彫られているそうです。
コーヒーファクトリーの様なウッディで開放感溢れる店内
既存の建物の特徴的要素をすべて保存することが開発の条件の中、スターバックスのクリエイティブ&グローバル・デザイン VP のリズ・ミューラー、コンセプト・デザイナーのアンドレ・キムによって、クリエイトされた店内。
かつて画材道具店・自動車販売店だった1920年築の建物を最大限に活かした、コーヒーの香りに包まれたウッディなスペースに仕上がっている。
店内の家具はスタッフがデザインに関り、シアトルの職人による特注のバリスタのエプロンなど、特別な店舗デザインになっている。他にも窓伝いに並べられたコーヒーの木や、夜には映像を写すためのスクリーンになる窓もあるようです。
スターバックス1号店がある現存するマーケットでは全米で最も歴史の長い「パイク・プレース・マーケット」。そこからPike Street(パイク・ストリート)を上がって、わざと窓から巨大なロースターが見えるようにデザインされている特徴的な建物、それが「Starbucks Reserve Roastery and Tasting Room」。
ハワード・シュルツ最高経営責任者(CEO)兼会長「このロースタリーは、長年にわたる夢の実現。そして次世代のスターバックスの始まり」
「Starbucks Reserve Roastery and Tasting Room」は、サードウェーブと言われる新しいコーヒーカルチャーをスターバックスがキャッチアップし生み出した次世代のコーヒーストア。
今や日本でのスターバックスの出店数は1000店舗以上を超え、都市部ではスターバックスがあって当たり前に。さらに創業の地アメリカでは「角を曲がればスタバがある」と言われるほどで約10,000以上の店舗数があります。そんな中の次世代型スターバックスの出店は、増えすぎて希釈された感のあるブランド力をさらに高める狙いがあるんだと思います。
大型店舗では取り扱わないような少量しか生産されない希少なコーヒー豆を、「スターバックス リザーブ®」という高級ブランドの様なコーヒーシリーズとして販売。これからどんどん広がっていくであろう「コーヒー通」な高級市場を加速させ、また巨大な資本を持つスターバックスの投資によるコーヒー農園の拡充、それを消費するコーヒー業界に更なる進化を促す事になるんじゃないでしょうか。
今までにお馴染みだったセイレンの丸い緑のロゴマークを廃し、「★」と「R」がシンボルの「スターバックス・リザーブ®」のネオンサインが印象的な新しいスターバックスは、2015年にシカゴやロサンゼルス、ニューヨーク、サンフランシスコ、ワシントンなどで「スターバックス リザーブ®」専門店を100店舗開店予定。そして2016年にはアジアから海外展開するとのことで、日本でお目見えするのもそう遠くはないかも知れませんね。
スターバックスが生み出した新たなコンセプトの店舗は、コーヒーファンである僕達カスタマーに、新たな文化やコーヒーエクスペリエンスを届けてくれる事と思います。2016年に行われるというアジア展開は、スターバックス・ジャパンを完全子会社化した経緯といい、そして海外初の焙煎工場がある日本からスタートする可能性が高いんじゃあないでしょうか。(希望的予想ですが。)
とにもかくにも、これからのスターバックスの展開にわくわくしております!!
【img via】News room-Starbucks.com
【参考】スターバックス、希少コーヒー豆 『リザーブ』 の焙煎工場&テイスティング・ルームをシアトルにオープン-Junglecity.com
今回のスターバックスの新しいコンセプトストアは、世界のコーヒー業界をびっくりさせるものだったじゃあないでしょうか。小資本が多いと思われるスペシャルティコーヒーを取り扱うサードウェーブ系のコーヒーストアには真似できない、新しいスターバックスの業態のこれからが本当に楽しみです!